異物分析・付着物分析・成分分析
クリタ分析センターでは、分析を通じて異物の混入経路特定や発生メカニズム解明に
お客様と一緒に取り組むことで、品質改善を支援します。
お問合せをいただく異物・付着物のサイズや性状は様々です。少量のサンプルや、取り出し・切り出しが難しいサンプルでも実施可能な分析もあります。当社では発生状況などお客様からヒアリングし、その内容をもとに、蓄積された技術・経験から適切な分析仕様をご提案させていただきます。
研究開発や品質管理の支援も承ります。
サーキュラーエコノミーの産業廃棄物の再資源化に関する分析も受託しています。
再資源化するためには成分の把握は重要です。KBCでは再利用先候補の規格など考慮し、成分把握の分析を提案させて頂きます。
技術者とのWEB面談も実施しています。お困りの際は、年間2,000検体超の実績の当社までご相談ください。
異物分析の流れ
お問い合わせ・ご相談
まずはご相談ください。WEB面談によるご相談承ります。
分析仕様提案のため、下記をヒアリングさせていただきます。
サンプルサイズ(量) | それにより対応できる分析が異なります。 視認できないミクロサイズでも可能な分析があります。 |
---|---|
サンプル性状 | 粉末、固形、付着物、液体中浮遊物など |
発生場所及び状況 | 商品(付着・混入)、製造ライン及び工程 |
推測される物質 | 原材料、製造装置由来、過去のトラブルなど |
納期 | 応相談(即日速報の実績あり) |
ご依頼
分析仕様の確定後、御見積書を提出いたします。その後、サンプルを送付いただきます。
- 適切なサンプルサイズ(量)や送付方法については、お伝えいたします。
- 残サンプルの返却も承ります。
観察・分析
- ①外観観察、顕微鏡による観察(実体/光学/偏光顕微鏡、SEM)
- 異物の性状(サイズ、形状、色など)
微生物の確認
- ②前処理
- 切り出しや試料均一化のための破砕作業など
※ご指定の箇所での分析のご相談も承ります。
- ③元素分析(EDS、XRF、XRDなど)
- EDS、XRF:元素割合から、主成分を判定
XRD :結晶構造を有する無機化合物の定性に有効
- ④有機物分析(FT-IR、有機元素分析など)
- FT-IR:有機化合物の定性(一部、無機物化合物の定性にも有効)
有機元素分析:炭素、水素、窒素、硫黄の定量分析
分析方法の詳細は装置の説明をご確認ください。
サンプルの観察(写真撮影)
元素成分結果(XRF)
報告
分析結果は速やかにメールで速報、報告書原本はご請求書と合わせて発送いたします。
装置の説明
当社が保有している代表的な装置についてご説明します。
実体/光学顕微鏡(外観観察、顕微鏡観察)
実体顕微鏡例.
フィルター付着物
光学顕微鏡例.
真菌類(カビ)
実体顕微鏡 |
---|
数倍~100倍程度の観察を行う。サンプルの細部を非破壊で観察し、正常部との比較を行うことで、分析箇所を決める。 |
光学顕微鏡 |
サンプルに下部から透過光を当て観察する。 異物分析の場合、100~400倍で観察し、人工物(例:繊維)か微生物かなどを確認する。 |
電子顕微鏡(微細観察)/エネルギー分散型X線分析装置(元素分析)
【SEM/EDS】
SEM 1000倍拡大写真
ピークの位置、高さから
元素の%濃度が分かります。
SEM(走査電子顕微鏡:Scanning Electron Microscope) |
---|
サンプルに電子線を当て、得られた電子線情報(反射電子、二次電子)から表面の観察を行う。 実体/光学顕微鏡に比べ高倍率(50~2,000倍程度)での観察が可能であり、数nm~数mmの微細な観察に適している。 |
EDS(エネルギー分散型X線分析装置:Energy dispersive X-ray spectrometry) |
サンプル表面に電子線を照射し、得られたX線エネルギーを分離、サンプルに含まれる元素を特定する。 対象は原子番号がCより大きい元素であり、蛍光X線に比べ、微量で分析ができる。有機物と無機物のどちらが主体であるか判断ができるなどのメリットがある。SEM/EDSとすることで、より微量なサンプルも対応可能。 |
XRF(蛍光X線分析)(元素分析)
【XRF】
ピークの位置、高さから
元素の%濃度が分かります。
XRF(蛍光X線分析装置:X-ray fluorescence analyzer) |
---|
サンプルにX線を照射し、元素分析を行う。周期表のNaより大きい元素が対象であり、非破壊での分析が可能である。対象は原子番号がNaより大きい元素であり、Naより小さい元素は「非検出分」として考慮した分析結果によりサンプルの主成分を推定する。XRFはEDSと比べて重元素の分析に強く、分析領域が広範囲でX線強度変化の影響を受けにくいため、様々な材料分析などに有効である。 |
FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)(有機化合物や一部の無機化合物の構造解析)
【FT-IR】
ライブラリ(データベース)検索結果
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR:Fourier Transform Infrared Spectrometer) |
---|
サンプルに赤外線を照射し、その吸収スペクトルから有機/無機化合物の定性を行う。ライブラリから成分の特定だけでなく、比較分析での特定やその物質の関与の調査が可能である。 FT-IRで定性できるものの例 ※顕微IRによる微量分析も対応可能 1)有機化合物:油分、樹脂、ゴム、紙、プラスチック、繊維、布、接着剤など 2)一部の無機化合物:硫黄化合物、リン化合物、シリコン化合物、炭酸塩など |
有機元素分析装置(CHNS分析)
【CHNS計】
sample | スルファニルアミド | |||
---|---|---|---|---|
元素 | 分析結果 (%) | 理論値 (%) | 原子量 | 原子量 (換算) |
炭素【C】 | 42.01 | 51.38 | 12.01 | 72.06 |
水素【H】 | 4.47 | 5.75 | 1.01 | 8.06 |
窒素【N】 | 16.49 | 19.98 | 14.01 | 28.01 |
硫黄【S】 | 18.22 | 22.89 | 32.10 | 32.10 |
例.炭素・窒素・水素・硫黄比から純度の確認(スルファニルアミド)
有機元素分析装置(CHNS分析) |
---|
サンプル中に含まれる有機元素(C:炭素、H:水素、N:窒素、S:硫黄)の定量分析を行う。サンプル中の有機元素を燃焼により完全に分解し、元素を定量、組成式を求める。得られた組成式から有機物の成分を推定する。 有機元素分析での分析例 有機元素の組成比、純度の確認、有機元素の含有確認など |
事例紹介
事例 | 分析の背景・目的 → 結果 |
---|---|
保安フィルター閉塞物の分析 | RO処理水の原水保安フィルターが頻繁に目詰まりする。 →付着物を分析。目詰まりの原因はスライム(微生物)と判明。 (報告書例あり)[PDF] |
カートリッジフィルター閉塞物の分析 | 冷水系のカートリッジフィルターが閉塞した。 →鉄さびなどの無機物が閉塞の原因と判明。 (報告書例あり)[PDF] |
生肉中の異物分析 | 小売店が販売した生鶏肉中に異物があったと購入者からクレーム。 →異物は骨と判明。 |
給湯水中の浮遊物分析 | 給湯水に異物が混入。 →給湯水の配管部材との比較分析により、配管部材の劣化による混入と判明。 |
天然ガス配管中の異物分析 | 天然ガス供給配管内にオイル状の堆積物。成分調査。 →堆積物はパラフィン系オイルと判明。 |
炭酸ディスペンサー部品の異物分析 | 飲料用炭酸ディスペンサー部品の付着物調査。 →カビと推定。 |