Column水質検査・分析やバイオ炭・土壌改良・超純水オンライン計などに関するコラム一覧

部材溶出試験における規格基準と検査項目の選び方と測定条件設定

部材の溶出試験における規格対応から検査項目と測定条件の最適化まで

製造業における部材の品質管理では、法規制への適合確認や安全性評価のために溶出試験が欠かせません。しかし、部材の種類や用途によって適用すべき規格が大きく異なり、検査項目や測定条件の選択に迷われる担当者も多いでしょう。

とくに半導体・電子部品製造では、デバイス構造の微細化に伴い、部材から溶出する微量の不純物が歩留まり低下や製品不具合の原因となります。適切な規格選択を誤ると品質問題につながる可能性があり、測定条件の設定ミスにより試験結果の信頼性が損なわれるケースも少なくありません。

ここでは、部材の溶出試験における規格の選び方から具体的な検査項目、正確な測定条件の設定方法まで、実務で役立つポイントを詳しく解説します。効率的な品質管理体制の構築に向けて、参考にしてください。

部材溶出試験における規格基準と適切な試験方法の選択指針

部材溶出試験における規格基準と適切な試験方法の選択指針

部材の溶出試験を実施する際、適用すべき規格は製品の用途や法的要求事項によって大きく異なります。効率的な品質管理や法規制対応を進めるためには、部材の特性と規格要求を正確に把握する必要があります。

溶出試験は、材料から溶け出す化学物質の量を測定する試験で、品質管理の観点からさまざまな分野で要求されています。

用途別の主要規格と適用範囲

産業分野では、用途に応じてさまざまな規格が適用されます。半導体・電子部品製造では、SEMI規格が広く採用されており、製造装置材料の溶出試験基準として機能しています。

SEMI規格では超純水によるイオン汚染と金属汚染、TOC汚染評価などの品質管理が求められます。

規格選択の判断基準

製品用途の明確化が規格選択の出発点となります。半導体製造装置部材、分野ごとに適用される法令や基準が異なるため、用途を正確に特定することが必要です。

材質特性に応じた規格の使い分けも大切です。同じプラスチック製品でも、材質により適用される個別規格が異なります。

効率的な規格選択のポイント

複数の規格が適用される可能性がある場合は、事前に適用法令や基準を明確にしておくことが必要です。

検出下限値や定量下限値は測定項目や試料の性状によって変動するため、要求精度を満たす分析機関の選定が求められます。とくに半導体・電子部品分野ではpptからppbレベルの極微量分析が必要となるため、高感度分析に対応した分析機関を選択することで効率的な試験実施が可能になります。

材質特性に応じた溶出試験項目の選定と品質管理対策

材質特性に応じた溶出試験項目の選定と品質管理対策

部材の溶出試験では、材質の特性や用途に応じて検査すべき項目が大きく異なります。効果的な品質管理を実現するためには、各部材のリスク要因を理解し、適切な検査項目を選定することが必要です。

材質別の検査項目は、部材より溶出の可能性がある物質や、製造工程で使用される物質の種類によって決まります。

半導体・電子部品製造における主要検査項目

金属元素の溶出評価

ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析法)による分析では、NaやAl、Cr、Feなど幅広い金属元素を高感度で測定できます。新品のコネクタや配管材料などでは、洗浄前の状態で各元素の溶出が起こる可能性があるため注意が必要です。

イオン成分の溶出評価

イオンクロマトグラフ(IC)による分析では、フッ素イオンや塩素イオン、臭素イオンなどを評価します。メーカーや材質の異なる部材では溶出するイオン種が大きく異なる場合があります。

評価対象となる主な部材

半導体製造装置部材として、樹脂製容器や配管材料、シール材、コネクタ類などが評価対象となります。これらの部材から超純水や各種薬液への金属イオンやアニオン・カチオンの溶出を評価します。とくに新規部材の採用時や、エンドユーザーからの要求変化に応じるための溶出試験が必要です。

検査結果に基づく改善対策

基準値を超過した場合の対策は、溶出原因の特定から始まります。原材料由来の場合は、材料変更や品質仕様の見直しが必要となります。製造工程由来の場合は、使用物質の使用量調整や代替材料への変更を検討します。

予防的対策としては、原材料受入時の品質確認強化や製造条件の最適化が効果的となります。検査頻度については、リスクレベルに応じた設定が推奨され、新規材料や設計変更時には全項目検査を実施し、安定した品質が確認できれば定期監視に移行する段階的アプローチが効率的です。

部材溶出試験における適切な測定条件設定と実施時のポイント

溶出試験の信頼性と再現性を確保するためには、測定条件の適切な設定が必要です。温度、時間、溶媒の種類、試料の前処理方法など各パラメータが試験結果に大きく影響します。そのため規格に基づいた正確な条件設定が求められます。

測定条件は実際の使用環境を模擬するように設計されており、用途によって大きく異なる条件が適用されます。同じ部材でも検査項目によって最適な条件が変わるため、目的に応じた条件選択が必要です。

基本的な測定条件の設定要素

温度と時間の設定

半導体製造装置部材の評価では、SEMI規格に基づく溶出条件や、自社規格による溶出条件が標準的です。実際の使用環境に応じて、常温から高温までの範囲で条件を設定することも可能です。繰り返し試験や試験期間の設定を行うことで、洗浄効果の確認や経時変化の把握ができます。

溶媒の選択基準

超純水を基本とし、必要に応じて硫酸や塩酸、フッ化水素酸など、半導体製造プロセスで使用される各種薬液を用いた溶出試験も実施されます。選択基準は想定される接触物質に応じて決定されます。

試料準備と前処理での注意すべきポイント

試料の表面積計算は溶出試験で大切な要素の一つです。単位面積あたりの溶媒量が規定されているため、複雑な形状の部材では正確な表面積測定が必要となります。

前処理では、試料の洗浄方法も結果に影響します。表面の汚れは除去する必要がありますが、過度な洗浄により表面状態が変化することは避けなければなりません。

測定精度向上のための注意事項

清浄なクリーンルーム内で試験を実施することにより、異物混入のリスクを極めて低く抑えられます。半導体分析によって培った微量分析技術を活用することで、pptからppbレベルの高感度分析が実現します。振とう条件は試料の形状や密度によって適切な条件を調整する必要があります。振とう強度が過度に強いと実際の使用条件とは異なる溶出が生じる可能性があります。

容器の材質選択も大切で、特殊洗浄を行った容器を使用することで、容器由来のコンタミリスクを低減できます。

適切な溶出試験で部材品質の安全性を確保

溶出試験における規格選択から検査項目の設定、測定条件の最適化まで、部材の品質管理には多くの専門知識が必要です。用途別の規格要求を満たしながら、効率的な品質管理を実現するためには、信頼できる分析機関との連携が不可欠となります。

クリタ分析センター株式会社は、ISO/IEC17025認定を取得した超純水分析技術をはじめ、pptオーダーまでの極微量分析に対応した高度な技術力を保有しています。半導体部品や燃料電池材料の評価試験において、超純水や酸・アルカリなどを用いた条件で試験を実施し、製品から溶出される微量イオン成分・金属成分をppmからpptオーダーで分析いたします。クリーンルームでの試験実施により、環境由来のコンタミリスクを低減し、お客様の品質管理業務を総合的にサポートいたします。

部材溶出試験ならクリタ分析センター株式会社

商号 クリタ分析センター株式会社
( Kurita Analysis Service Co.Ltd. )
住所 [本社] 〒305-8504 茨城県つくば市高野台二丁目8番14号
TEL 029-836-7011
FAX 029-836-7037
URL https://www.kuritabunseki.co.jp
拠点 営業拠点一覧は、こちらをご覧下さい