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バイオ炭による土壌改良とJ-クレジット申請の測定制度を徹底解説

土壌バイオ炭測定からJ-クレジット申請まで制度活用の実践手順

近年、環境規制の強化とカーボンニュートラルへの取り組みが企業に求められる中、バイオ炭を活用したJ-クレジット制度が新たな注目を集めています。2020年に制度化されたバイオ炭の農地施用による炭素貯留は、温室効果ガス削減と収益創出を同時に実現する革新的な仕組みです。

しかし、実際の制度活用には複雑な測定手法や申請手続きが伴い、多くの企業が具体的な進め方に悩んでいる状況です。土壌検査項目の選定から分析要件の理解、申請プロセスまで、実務担当者が押さえるべきポイントは多岐にわたります。

適切な知識と手順を理解することで、バイオ炭によるJ-クレジット制度を効果的に活用し、環境貢献と事業メリットの両立が実現できます。

バイオ炭によるカーボンクレジット制度の基本構造

バイオ炭によるカーボンクレジット制度の基本構造

バイオ炭とは、「燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物」として定義される炭素材料です。2020年9月にJ-クレジット制度の方法論として正式に認められ、農地への施用による炭素貯留効果が温室効果ガス削減手段として評価されるようになりました。

従来、木材や竹などの有機物は微生物による分解により二酸化炭素として大気中に放出されていましたが、炭化処理により炭素を固定することで、長期間にわたって土壌中に貯留できます。この炭素貯留効果は100年以上持続するとされ、地球温暖化対策として国際的にも認められています。

J-クレジット制度の基本構造

J-クレジット制度は、温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証し、売買を可能にする仕組みです。農林水産省、経済産業省、環境省が共同で運営しており、民間企業や自治体の脱炭素投資を促進する目的があります。

バイオ炭の農地施用による炭素貯留量は、「AG-004バイオ炭の農地施用」方法論に基づいて算定されます。プロジェクト登録とモニタリングの2つのステップを経て、最終的にクレジットとして認証される仕組みです。

対象となるバイオ炭の基本要件

対象原料は木竹由来と有機系バイオマス由来に分かれます。木竹由来では白炭、黒炭、竹炭、粉炭、オガ炭が該当し、有機系では家畜ふん尿由来、草本由来、もみ殻や稲わら由来のほか、木の実由来、製紙汚泥や下水汚泥由来が認められています。すべて国内産の未利用バイオマスである必要があり、原料に塗料や接着剤などが含まれていないことが前提となります。

事業者にとってのメリット

クレジット創出者は省エネ設備導入による運営コスト削減とクレジット売却益を得られます。購入者側はカーボンオフセットや温室効果ガス削減目標の達成に活用でき、環境貢献のPR効果や差別化、ブランディングのメリットがあります。制度への参加には一定の手続きコストが発生しますが、中小規模事業者向けの審査費用支援制度も整備されています。

土壌バイオ炭のJ-クレジット申請時検査項目

土壌バイオ炭のJ-クレジット申請時検査項目

J-クレジット制度におけるバイオ炭の農地施用では、炭素貯留量を正確に算定するため、特定の土壌検査項目と分析手法が規定されています。申請者は2019年IPCC改良ガイドラインに基づく算定方法に従い、投入バイオ炭の重量、有機炭素含有率(Fc)、100年後の炭素残存率(Fperm)を把握する必要があります。

基本的な分析項目

土壌基本性状の確認

農地の地目や土壌分類の確認が必要です。バイオ炭施用前後の土壌特性変化を把握するため、pH、有機物含量、全炭素量などの基本項目も測定対象となります。

炭素貯留量算定のための検査

有機炭素含有率(Fc)の測定

全有機体炭素計と固体試料燃焼装置を用いたTOC固体試料測定システムにより実施されます。全炭素と無機体炭素の差から有機体炭素含有量を算出し、1測定あたり約10分程度で迅速に分析できます。

炭化温度の推定

石炭類及びコークス類-工業分析方法に基づく工業分析により、VM/FC比を測定します。この比率から文献データと照合して炭化温度を算出し、IPCC改良ガイドラインの算出係数を用いて炭素残存率を求めます。

サンプリングと品質管理要件

バイオ炭の原料供給元から条件適合を文書で確認する必要があります。土壌サンプリングでは、施用面積や深度を正確に記録し、代表性のある試料採取が重要です。分析機関には適切な前処理と保存条件での検体管理が要求され、測定結果の信頼性確保が不可欠です。

バイオ炭分析とクレジット活用の総括

バイオ炭の土壌施用によるJ-クレジット制度の活用は、環境規制対応と収益創出を同時に実現する有効な手段となっています。制度の基礎から測定手法、申請プロセスまでの理解により、適切な土壌検査項目の把握と分析要件の満足が制度活用の成功につながります。とくに2019年IPCC改良ガイドラインに基づく新しい算定方法の導入により、従来よりも簡便で正確な炭素貯留量の測定が実現され、事業者の負担軽減が図られました。

クリタ分析センター株式会社は、土壌汚染調査からSOFIX土壌診断まで幅広い土壌分析サービスを提供し、全国11拠点による迅速な対応体制を構築しています。バイオ炭関連のさまざまな検査項目に対応した信頼性の高い測定結果を提供いたします。J-クレジット申請に必要な土壌検査でお困りの際は、専門的な知識と豊富な実績を持つ分析パートナーとして、プロジェクト成功をサポートします。

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