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農用地における土壌分析と菌数調査で生育状態を把握

農用地の土壌分析で菌数測定から始める健康診断

農地の土づくりに日々取り組んでいるものの、肥料を適切に投入しているはずなのに作物の生育が思わしくない、同じ圃場内でも収量に大きなばらつきが出てしまう。このような悩みを抱えている方は少なくありません。実は、目に見えない土壌中の微生物の状態が、作物の生育を大きく左右している場合もあります。農用地の土壌には無数の微生物が生息しており、菌数を測定することで土の健康状態を数値として客観的に把握できます。微生物のバランスが崩れていれば連作障害のリスクが高まり、逆にバランスが整っていれば安定した収量と品質向上が期待できます。

ここでは、土壌分析における菌数測定がなぜ農作物の生育に影響するのか、そして実際に調査を依頼する際にどのような点に注意すべきかを詳しく解説します。農地の健康診断として、菌数測定を活用するための情報をお届けします。

土壌分析で菌数を調べることでわかる農地の状態

土壌分析で菌数を調べることでわかる農地の状態

土壌中の菌数を測定すると、目に見えない土の中で起きている生物活動の状態を数値で把握できます。1グラムの土壌には数億から数十億もの細菌が生息しており、これらの微生物が作物の生育を支える役割を担っています。菌数測定では、土壌中に存在する総細菌数を調べることで、農地の健康状態を客観的に評価できるようになります。

健全な土壌では、さまざまな種類の微生物がバランス良く存在しています。微生物の多様性が高い土壌ほど、病原菌が増殖しにくく、作物が病気にかかりにくい環境といえるでしょう。一方で、化学肥料や農薬を多用した土壌では微生物の量が減少する傾向にあり、特定の微生物だけが増えすぎてバランスが崩れることがあります。

土壌微生物が作物生育に与える影響

微生物は有機物を分解して植物が吸収できる養分に変える働きをしています。窒素やリンといった栄養素の循環には、土壌微生物の活動が欠かせません。菌数が十分にある土壌では、有機肥料を投入した際の有機物の分解がスムーズに進み、作物に必要な養分が適切に供給されます。

また、微生物が豊富な土壌は団粒構造が発達しやすく、水はけと水持ちのバランスが良くなります。根の発達も促進されるため、健康で丈夫な作物を育てることにつながります。

連作障害と微生物バランスの関係

同じ作物を同じ場所で繰り返し栽培すると、特定の微生物だけが増加して土壌微生物のバランスが崩れます。この状態が続くと連作障害が発生しやすくなり、作物の生育不良や収量の減少につながるでしょう。菌数測定によって微生物のバランス状態を確認することで、連作障害のリスクを事前に把握し、適切な対策を立てられます。

菌数分析が農作物の生育状態に及ぼす影響

菌数分析が農作物の生育状態に及ぼす影響

農用地の土壌中に生息する微生物の数は、農作物の生育に直接的な影響を与えています。土壌微生物は単に土の中に存在しているだけではなく、作物の根の周辺で活発に活動することで、植物の成長を支える役割を果たしています。菌数分析を通じて微生物の量や活性状態を把握することは、安定した収量と高品質な農作物を生産するための基礎情報となります。

土壌中の微生物量が適切に保たれている農地では、作物の根の発達が良好になり、養分や水分の吸収効率が高まります。微生物が作り出す物質が土壌の構造を改善し、根が伸びやすい環境を整えるためです。

養分供給における微生物の働き

土壌微生物は有機物を分解して、窒素やリンなどの栄養素を植物が吸収できる形に変換しています。微生物の数が十分にある土壌では、養分供給のサイクルがスムーズに機能します。

特に有機農法を実践している農地では、微生物による有機物の分解が作物への養分供給を左右します。菌数が少ない土壌に有機肥料を投入しても、分解が進まずに作物が養分不足になる可能性があります。

病害抵抗性の向上

微生物の多様性が高い土壌では、病原菌が増殖しにくい環境が保たれています。さまざまな種類の微生物が共存することで、特定の病原菌だけが優勢になることを防ぐ拮抗作用が働くためです。

農作物の根の周辺には特に多くの微生物が集まり、病原菌の侵入を物理的に阻止する働きをしています。

収量と品質への影響

微生物が豊富な土壌で育った農作物は、根張りが良く、茎や葉も健全に成長します。養分の吸収バランスが整うことで、糖度や食味といった品質面でも向上が期待できるでしょう。また、微生物が活発に働く土壌は物理性も改善されるため、水はけや保水性のバランスが良くなり、天候の変化にも強い作物が育ちます。

菌数測定を伴う土壌分析を依頼する際の注意点

土壌分析で菌数測定を行う際には、正確な結果を得るためにいくつかのポイントがあります。微生物は環境の変化に敏感なため、採取方法や保管状況によって測定結果が大きく変わってしまいます。信頼できる分析結果を得るためには、サンプル採取から分析依頼までの手順を適切に理解しておくことが大切です。

菌数測定では、土壌中に生息する微生物の状態をそのまま反映させる必要があります。そのため、化学性分析とは異なる取り扱いが求められます。特に採取後の保管条件や分析機関への送付方法については、事前にしっかりと確認しておきましょう。

サンプル採取時の注意事項

土壌サンプルを採取する際は、表土の約5センチメートルを取り除いた後、その下の作土層から採取します。圃場全体の状態を把握するためには、10か所から20か所程度の複数地点から土を採取し、バケツなどで均一に混ぜ合わせることが推奨されています。

菌数測定用のサンプルは、化学性分析と異なり乾燥させない生の土壌を使用します。土壌を乾燥させてしまうと微生物が死滅したり活性が低下したりするため、採取後はすぐに密閉できる袋に入れて保管する必要があります。

サンプルの保管と送付

採取した土壌サンプルは、できるだけ早く分析機関に送付することが理想的です。保管が必要な場合でも、採取後2週間以内に分析を行うことが望ましいとされています。

保管する際は、直射日光を避け、高温にならない場所を選びます。夏場などは冷暗所での保管が推奨されますが、冷凍庫での保管は微生物にダメージを与える可能性があるため避けてください。

菌数測定には、一般的に1キログラム程度の土壌が必要となります。サンプル容器に圃場名や採取日を明記し、どの土壌がどこから採取されたものかわかるようにしておきましょう。

分析項目の選択

土壌分析では、化学性、物理性、生物性の各項目があります。菌数測定は生物性診断に該当しますが、総合的な土壌評価のためには化学性分析もあわせて実施することが効果的です。

土壌の菌数測定で農地の健康状態を把握する

農用地の土壌中に生息する微生物の数を測定することで、目に見えない土の健康状態を客観的に把握できます。総細菌数や微生物の多様性を数値化することにより、作物の生育環境が適切かどうかを判断する指標が得られます。微生物が豊富でバランスの取れた土壌は、養分供給がスムーズに行われ、病害に強く、安定した収量と高品質な農作物の生産につながります。連作障害のリスク予測や有機農法における土づくりの指標としても、菌数分析は非常に有効な手段といえるでしょう。

クリタ分析センター株式会社では、土壌中の総細菌数測定をはじめとする包括的な土壌診断サービスを提供しています。国内11拠点のネットワークを活かした迅速な対応と、水処理分野で培った確かな分析技術により、農地の状態を正確に評価いたします。サンプル採取方法のアドバイスから分析結果に基づく土づくりのご提案まで、農業従事者の皆様を総合的にサポートしています。農地の健康診断として土壌分析をご検討の際は、ぜひご相談ください。

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